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パンク・ラウドの祭典「SUMMER CAMP」全史を振り返る!

「SUMMER CAMP」祝・10回記念特別対談!!
- HISTORY INTERVIEW Vol.4 -
(3/5)

TEXT:荒金良介

──それで7年間の沈黙があって、一昨年復活しました。これはどういう理由で?

マサ12年にイベントでチッタへ遊びに行ったんですよ。で、チッタの人から来年クラブチッタ25周年になるから、サマキャンやってよ!と言われて。その25年の歴史の中にサマキャンもあるわけだし、どう?と提案されて。その他にも周りからサマキャンやってよ!と言われてたんですよ。ヨッキも僕も休止前と比べたら、ある程度自分のペースで動けるようになってたから。

ヨッキUZUMAKIからもやってよ!と言われて、それがやろうと思ったきっかけですね。

マサ7年間サマキャンをやらない間にいろんなイベントを見て、僕らがやってたこととそんなに変わらない部分もあるし。負けてられないじゃないけど、そういう気持ちも新たに生まれてきたんですよ。今だったら、どんなことがやれるのかなって。06年にやめようと思った時よりも、面白いものがやれるという気持ちはありましたね。

ヨッキ12年頃にサマキャンじゃなくても、お互いに何かをやりたいね!という話はしてたんですよね。

──そして、復活一発目の『SUMMER CAMP 2013』をやってみて、どうでした?

ヨッキ根本的に接点のないバンドを繋げたい、という部分に関しては全く変わってないんですけどね。

マサ無理やり引っ付けるわけじゃなく、数珠繋ぎをしたいなと。混ざらないものを混ぜるというより、いかに繋げるかという。その気持ちは13年のサマキャンは強かったなあ。00年の頃は僕らもお客さんも水と油という混ざらないものを欲してたと思うんですよ。でも途中から水と油というスタイルを欲さない人たちが増えた時に、いろいろ考えた気がしますね。

──とにかく、13年のサマキャンのラインナップは凄いですよね。

ヨッキそれも自分たちの付き合いの中で声かけに応じてくれた人たちばかりですね。

マサ06年にやめてから7年間空いたじゃないですか。その間にコミュニケーションを取ってきたバンドを優先しました。

ヨッキまずはそこが第一ですね。このために連絡を取ったアーティストはいないですね。

──サマキャンの集大成みたいなメンツですよね。

マサこのときにサマキャンを知った人が多いかもしれないですね。

──とりわけ、BiSとBABYMETALがこのラインナップに並んでいるのが面白くて。

ヨッキこれも繋がりがあるから呼んでますからね。BiSに関しては担当ディレクターともともと仲良くさせて貰ってたし、BABYEMTALのKOBAMETALさんは僕がミクスチャーのバンドをやっていた時のアーティスト担当だったんですよ。で、13年にサマキャン復活させるんだよねと相談したら、面白そうだねと言ってくれて出てくれたんですよ。

マサ僕の感覚だと、以前ならBiS、BABYMETALはアイドルだと思っていたのでバンドとあまり接点がないからナシだったんですよ。でも自分たちが音楽現場でずっとやってきて、アーティストと直接繋がっていなくても、知人を介して繋がっているのであれば、それも立派な繋がりでしょって。それで新しい形を作りたいなと。

ヨッキこの2組はアイドル的な要素が強いから浮くかもしれないけど、ほかのどのアイドルよりも、このラインナップに馴染むと思ったんですよ。それがわかっていたから、面白かったですね。お客さんの反応もそうだし、出てくれたバンドも面白いと言ってくれたから、嬉しかったですね。

──BABYMETALもよく出てくれましたね。

マサちょうどいいタイミングだったのかなと。

ヨッキサマキャンに出てくれるということで、色々こだわってくれましたからね。

マサBABYMETALは想像以上でビックリしました。

ヨッキしかも2組ともすごく盛り上がりましたからね。

マサほんとはバンドが、もっとこれぐらい自由にやらないといけないんじゃないの?と思う部分もありました。13年のサマキャンにBiS、BABYMETALを入れることに関して賛否が起きることは、いいことだなと解釈してました。ここでサマキャンを否定されようと、肯定されようと、これがサマキャンだから!と堂々と言えるようになりましたね。この年から僕もヨッキも夏はここでみんな集まって一緒に歳をとろうよ、という気持ちが芽生えてきましたね。昔はそんなこと全く思わなかったけど、13年にはそういうことも感じるようになりました。

──13年のサマキャンの手応えは?

マサバンドも年月を重ねることで、自分たちの色を出せるようになったし、そこに助けてもらえた部分が大きいですね。13年はフェスと言われるものが乱立して、ある意味フェス以上のものを作りたい気持ちはありましたね。それは今ほどフェスというものがない時代からやってきたという自負もありますからね。

ヨッキライヴハウスのノリで規模を大きくしてできるのか。それが最初のコンセプトですからね。だから、出演者が全部観れるタイムテーブルしか組んでないし、基本そこにはこだわってるつもりです。まあ、フェスの定義は人それぞれだけど、自分の意識はそうですね。

──出演ラインナップの色も一貫してますからね。ずっと目線はインディーズ・パンクシーンに向いてますからね。

マサそうですね。

ヨッキ13年のサマキャンは3日間共ソールドアウトしましたからね。そんなに反響があるとは思ってなかったんですよ。

──いやあ、このラインナップだったらするでしょ!

マサ久々にやるんだねって、バンドもすぐに返事をくれたんですよ。出たい出たいと言ってくれるバンドも多かったから、また自分たちのモチベーションも上がりましたね。

──00年からずっとやってないと、集められないメンツだと思いますよ。

ヨッキどうなんですかね? あまりそういう風には思ってなかったんですよ。ただ、7年ぶりにやってみて、個人的にはシーンが大きくなってるなあと実感しました。ポピュラーになりましたよね、アンダーグラウンドだったものが。

マサオーバーグラウンドになりましたよね。

──ラウドシーンひとつ見ても、昔と今でも全然違いますからね。

ヨッキそれはここに出てくれてるバンドたちがずっとやり続けてくれたからこそ、シーンが大きくなったのかなと。正直、イベントの企画も自分たちの力ではないですからね。根本的なところで、サマキャンを復活させてから、出てくれたバンドたちのおかげだなという気持ちは強くなりました。だからこそ、出て良かったと思ってもらえるイベントにしなきゃいけない。それはバンドもそうだし、来てくれたお客さんにもそう思ってもらいたい。そうじゃないと、俺らがやる意味はないですからね。

マサ自分たちがお客さんだった頃に、イベント名というよりはラインナップが面白そうだから、行こうよ!という部分が出発点ですからね。バンドの力がないと、成り立たないから。

ヨッキそれを一昨年、去年は意識しましたね。だからこそ、出てくれたからには何かを持ち帰ってくれたら嬉しいなと。

マサ何かしらの意味合いがあって、バンドには声をかけてますからね。ただお客さんを呼べるバンド!みたいな理由では誘ってないから。そういう気持ちをお互いに大事にできたらいいなと。13年からは特により一層考えてますね。僕らも楽しいからやってますからね。その楽しみ方の種類は少しずつ変わっているかもしれないけど。

ヨッキ自分の中でいいバランスが取れて、今は前向きに捉えてますね。

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